子育てコラム
お父ちゃんは意気地(ikuji)アリ!
Vol .1 カンガルーケアをカンガえる

会社では広報を担当しています。
4月に娘が生まれて1ヶ月とちょっと。
“お父さんの子育て”のダッドウェイですから、私生活の育児もコーホーしてしまえ、ということで書きはじめました。
不惑の40歳が、はじめて授かった子どもマユコの成長とともに、実感する父親の育児をつづってみようと思います。
立会い出産は、出生の瞬間がクライマックスだった。
マユコの泣き声は今でも耳に残っている。
やがて助産士さんから突然告げられる「お父さん、シャツを胸元まであげてください!」。
いわれるままに抱かされたのは、もぞもぞと動く、これはわが子か?ムスメか?赤黒い生き物か?・・・。
出産のプロセスを立会ったのは、楽しい体験だった。
陣痛の間隔を計測したり、体をさすったり、呼吸法のリードやうちわであおぐなど懸命にがんばる奥さんの伴走者として、出産体験を共有することは面白いことだった。
そしてそのご褒美のように、出生直後のわが娘を胸にだくチャンスを得ることができた。
世に言う、カンガルーケアだ。
この病院では、「パパも希望」と出していれば、そのお鉢がまわってくる。
でもかなり唐突、なったばかりのお父ちゃんはさすがにたじろぐ。「え〜シャツまくるって、僕、1日ずっとシャワー浴びてませんよ」。
それでも気にもとめず、助産士さんは「はいよ」とわが子をどすんと胸元にたくした。分娩室入るのに、手の消毒や外来者を受け付けないなど、衛生面に気をつかっているようで、こういうところは頓着がないのだ。
微かに動く、3076gのマユコ。
2〜30分ほどじっと、そのぬくもりを全身で感じた。
逆転の発想が世界に広がる。
この「カンガルーケア」は、育児書によれば、1979年、南米コロンビアの病院から始められたようだ。
なんとその理由が低出生体重児対策の「スタッフ・保育器不足を補うため」というからすごい。
それを小児科医師が世界に紹介、今では先進各国の NICU(新生児集中治療室)に取り入れられている。
06年に紀子さまも愛育病院でカンガルーケアを体験して話題になった。
なぜ、これだけ広まったのだろう。
それまで保育器の中で育てることがベターとされていた低出生体重児。
しかし、病院の窮状は新しい発想を産んだ。
出生直後の赤ちゃんを自分の体で包み、おっぱいを与えているアフリカの奥地の人々をモデルに、自然の営みにまかせてみようよ!ということになった。
おもしろい医者がいるものだ。
この逆転のアイデアが結果をもたらす。
体温低下に効果が認められ、新生児の生存率は劇的にあがり、親の養育放棄が減ったと報告された。裸の胸をあわせる姿がカンガルーの親子を連想させ、親子の絆をふかめるコミュニケーションの第1歩として、その名とともに世界に広まったのだ。
だから、あの助産士さんは汗臭いお父ちゃんの体に「はいよ」と新生児を預けることができたのだろうか。
今から思うと、なに食わぬ感じの助産士さんには、アフリカの野生が漂っていたなぁ。
ともかく出生直後の1時間、赤ちゃんは目を開けて覚醒しているという。
赤黒い野生児マユコはおっぱいをもとめて、汗臭い僕の乳首を、ウシウシとまさぐっていた。
大きくなってこの話をしたら、親子のキズナというより年頃の娘の、心のキズになってしまうかな・・・
2008年06月06日
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